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観潮楼~森鷗外記念館~を訪ねて

博物館めぐり

様々なジャンル、美しい文体の森鷗外の作品に魅了された日々を突然思い出したのは、NHKBSドラマ「孫のナマエ 鷗外パッパの命名騒動7日間」を見たこと、友人から鷗外の末子について書かれた「類」(朝井まかて著)を読んでいると聞いたこと、からかもしれません。
千代田線千駄木駅から、眩しい太陽を浴びながら団子坂を数分上ると「文京区立森鷗外記念館」に到着。
ここは森鷗外が家族と共に30年間暮らした家の跡で、家の2階から品川沖が見えたため、自ら「観潮楼」と名付けたそうです。観潮楼では、「青年」「雁」「高瀬舟」などの作品が生まれました。


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〇鷗外生誕160年・没後100年
今年は、森鷗外(1862年~1922年)の生誕160年・没後100年の年に当たり、記念館ではこれにちなんだ展覧会が開催され、訪れた日は、特別展「読み継がれる鷗外」が行われていました。
館内は撮影禁止。メモを取ろうとうっかりボールペンを出した途端、記念館の方にやんわりと注意をいただき、小さな鉛筆のついた小さな手帳を使うことに・・・。


鷗外1 鷗外4

〇11歳で現在の東京大学医学部の前身に入学

10歳で父と共に上京した鷗外は、年齢を2歳偽って、わずか11歳で第一大学区医学校に入学したそうです。19歳で卒業した後、軍医として4年間ドイツに留学し、陸軍の指示による調査研究を行う傍ら、西洋の文学、美術に心酔したようです。
ところが、軍医として日清戦争、日露戦争の戦地に赴くこととなります。
このような体験の中で、鷗外は何を学び、感じたのでしょうか。

〇広い交友関係
多くの人々の書簡が展示されていました。樋口一葉 二葉亭四迷 幸田露伴 高村光太郎 芥川龍之介 太宰治・・・・。 到底書き尽くせません。
1907年、観潮楼歌会を開き、そこには伊藤佐千夫、佐佐木信綱、与謝野鉄幹、さらに斎藤茂吉も集まり毎月のように歌を詠んだといいます。
鷗外は観潮楼というサロンで多くの文学者の交流と互いに高め合う機会を作っていたのでしょう。

ougai02.jpg ougai03.jpg三人冗語の石

〇読み継がれる鷗外
三島由紀夫は、「鷗外はおそらく近代一の気品高い芸術家」と最高の賛辞を述べていました。
また、中野重治の「すべて文学を通して復讐した」という言葉は強烈に心に残りました。
さらに、画家安野光雅は、鷗外の「即興詩人」の影響を強く受け、その足跡をたどり、心に響くような繊細な絵を描きました。「(鷗外の)『即興詩人』は物語が主というより、文語体の調べの美しさが主だといえる。あらすじでは到底伝えることのできぬ音楽的文章の世界があるのだから、それを聴いてもらいたいのである。」と、述べています。

鷗外6

鷗外5

〇モリキネカフェ
モリキネカフェ。そこは思いがけない至福の空間でした。カフェからは二度の火災を免れた大イチョウ、鷗外が幸田露伴、斎藤緑雨と共に写真を撮影したという「三人冗語の石」が臨め、2回の火災で焼失した観潮楼の名残が伝わってくるようです。
軽食のモリキネセットはコーヒー付きで1000円。プレッツェル、コンビーフ、ザワークラフト、ヨーグルトなど一つ一つにドイツの手作りの味わいが込められているようでした。

売店には、森鷗外の作品、関連した作品が並んでいます。私はしばらく迷った後、その中の一冊を選びました。
かつては海が見渡せたという方向を見ると、東京スカイツリーが小さなろうそくのようにビルの間に挟まって、光っていました。

鷗外7

今後の展覧会の予定です。
8月15日(金)~10月16日(日) コレクション展
鷗外の東京の住まい
10月22日(土)~2023年1月29日(日) 特別展
鷗外遺産

文京区立森鷗外記念館

(担当:Giglio)

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