さつき会ブログ

さつき会イベント委員の有志が会員の皆さんと一緒に様々な情報をお伝えしていきます。           (※ブログ内の関連情報は、興味をお持ちの方にさらに深く知って頂くためのものです。さつき会として販売促進するものではありませんのでご了解ください。)

小林逸翁が工夫を凝らした邸宅と茶室~小林一三記念館・雅俗山荘

博物館めぐり

 阪急電鉄の池田駅からなだらかな坂を登って、徒歩10分。池田文庫や逸翁美術館を通り過ぎると、立派な門構えの小林一三記念館が現れます。小林一三記念館は、小林一三氏の旧宅である「雅俗山荘」を中心に、小林一三氏の功績を紹介する施設です。
雅俗山荘長屋門
能勢町にあった庄屋から移築したと伝えられる長屋門。「雅俗山荘」の玄関アプローチにつながる。(出所:小林一三記念館ホームページ)

 小林一三氏は、阪急電鉄をはじめとする阪急東宝グループ(現・阪急阪神東宝グループ)の創業者です。宝塚歌劇や阪急百貨店、宝塚ホテルも設立した実業家であり、茶人、文化人としても活躍されました。逸翁は、一三氏の雅号です(ここでは、以後「逸翁」と呼ばせていただきます)。
 長屋門を入ると、正面が小林逸翁の旧邸である洋館「雅俗山荘」です。現在は、優雅な雰囲気の中、フランス料理を楽しめる山荘レストランになっています。
雅俗山荘玄関
雅俗山荘の玄関。鉄筋コンクリート造2階建ての洋館ですが、屋根は日本風のいぶし銀の瓦が葺かれた和洋折衷の建物

 私も、さつき会の友人たちと「雅俗山荘」でランチをいただきました。玄関を入るとすぐに二階まで吹き抜けになった広い応接間があり、今はラウンジとして使われています。私たちが案内されたテラス席は、かつてはサンルームで、逸翁はここで家族や友人とバーベキューなどを楽しんだそうです。テラス席からは庭の緑を楽しむことができ、雨天にもかかわらず明るい光が差し込んでいました。
テラス席
光が差し込むテラス席
ダイニングからテラス席を望む
ダイニングからテラス席を望む

 この山荘で逸翁は、こう夫人と3男2女の子どもたちと暮らしました。元テニスプレイヤーの松岡修造さんは、松岡家に養子に行った逸翁の次男の孫にあたるそうです。今は、二階のこう夫人の部屋や逸翁の書斎も自由に見学することができます。庭に面した南向きの広い部屋がこう夫人の部屋です。夫人の部屋には、当時は珍しいシャワー付きのバスルームも隣接しています。一方、逸翁の書斎や部屋は、北側の山が見える部屋です。
逸翁の書斎
逸翁の書斎。かつては窓から山を見ることができた。
こう夫人の部屋
庭に面した南向きのこう夫人の部屋
こう夫人のバスルーム
当時は珍しいシャワー付きのこう夫人のバスルーム

 庭には、三つの茶室がお互いに邪魔し合わない絶妙な位置に配されています。近衛文麿公が命名した二畳の茶室「費隠」、逸翁が生前使用していた茶室から名づけられた茶室「人我亭」も見ごたえがありますが、何といっても惹きつけられるのは「即庵」です。「即庵」は、三畳台目に土間を二方に廻らせた椅子席の茶室です。逸翁の考案で、10席の椅子席からは畳上と同じ視線で喫茶、拝見ができるように工夫されています。茶道愛好家にも正座が苦手な方が多い中、このような茶室を考案したところに、逸翁の発想の豊かさ、お客様への真のもてなしの心を感じます。
茶室「即庵」
茶室「即庵」

 小林一三記念館や雅俗山荘の魅力は、まだまだ伝えきれません。ぜひ一度足を運んでみてください。

小林一三記念館
(担当:ゆっちょむ)



コメント

コメントを投稿


管理者にだけ表示を許可する
 
PrevEntry |  to Blog Top  | NextEntry

さつき会イベント委員の有志が会員の皆さんと一緒に様々な情報をお伝えしていきます。           (※ブログ内の関連情報は、興味をお持ちの方にさらに深く知って頂くためのものです。さつき会として販売促進するものではありませんのでご了解ください。)

プロフィール

johohasshin2020

Author:johohasshin2020
さつき会
(東大女子ネットワーク・コミュニティ)

最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ
 

Copyright ©さつき会ブログ. Powered by FC2 Blog. Template by eriraha.